お焚き上げ｜ひとものがたり│ブログ

このブログに辿り着き、これからご覧いただこうとしている皆さん、ありがとうございます。

福島県は福島市にあります『ひとものがたり』という会社に属してます、遺品整理士(認定第IS49550)の阿部仁(あべひとし)と申します。

さて、日々、遺品整理、生前整理、お片付け、特殊清掃などご依頼いただいてお仕事させていただいておりますが、今回は「お焚き上げ」について書かせていただきたいと思います。

「お焚き上げ』

遺品整理を進めていく中で、よく耳にする言葉が「お焚き上げ」です。これ、実はただの儀式ではなく、心の整理をつかさどる大切な行為だと考えています。遺品整理というのは、単に物を片付ける作業だけではなく、亡くなった方への尊敬や感謝の気持ちを込めて、思い出の品々と向き合う大事なプロセスです。お焚き上げをすることで、その物に込められた思いが浄化され、残された人々にとっても心が落ち着く一つの区切りになります。

1. 「お焚き上げ」の意味と背景

お焚き上げという言葉は、お寺や神社などで行われる、物を火で浄化する儀式に由来します。特に、亡くなった方の遺品や思い出の品々を神聖な火で焚くことで、供養を兼ねてその物を清め、霊的に安らかにすることを目的としています。この行為は、日本の伝統的な精神文化に深く根付いており、単なる物理的な整理ではなく、精神的なケアの側面が強いのです。

たとえば、亡くなった方の使っていた服や持ち物は、今となってはただの物ですが、それらには確実にその人の生き様や記憶が刻まれています。そんな物を処分する際、ただ捨てるのはどうしても心が痛むものです。お焚き上げを通じて、その物に込められたエネルギーを火で清め、魂を安らかにすることができるわけです。

2. 心の整理を助ける「お焚き上げ」

遺品整理は、物理的には「不要なものを処分する」作業ですが、心の面では「亡き人との別れを受け入れる」作業です。家族や親しい人を亡くした後、どんなに整理を進めても、心の中で引っかかるものが出てきます。思い出の品々をどうすればいいのか、遺族はなかなか踏み切れない場面も多いでしょう。

ここでお焚き上げが登場します。お焚き上げを行うことによって、「これで整理ができた」「あの人が安らかに成仏できた」という感覚を得ることができるのです。火の力で、亡き人とのつながりをしっかりと感じながら、心を整理することができるので、後々の思い出もより良いものとして残すことができるんです。

遺品整理をする際、「これを捨ててしまっていいのか？」という気持ちが湧き上がることがあります。とりわけ、亡くなった方の大切にしていたものや、長い年月を共に過ごした品々は、感情的に整理がつかないことが多いです。でも、お焚き上げをすることで、その物がただの「物」でなく、意味のある供養の対象となります。そしてその物を手放すことが、亡くなった方への感謝の気持ちを込めた行動として、心が軽くなるのです。

3.お焚き上げがもたらす心の平穏

お焚き上げを行った後、遺族は何かしらの平穏を感じることが多いです。それは、亡くなった方の存在を尊重しつつ、物理的にも精神的にも整理がついたという安心感からくるものです。もちろん、その後も亡くなった方の思い出は続いていきますが、遺品がきちんと供養されることで、その後の生活がすっきりとしたものになるのです。

心の整理をしっかりと行うことで、過去を振り返りつつも前向きな気持ちで次のステップを踏み出すことができるのです。お焚き上げを通して、それができるということは、遺品整理において非常に大きな意味を持っているといえるでしょう。

遺品整理における「お焚き上げ」は、単なる儀式ではなく、亡くなった方への感謝と尊敬を込めて物を整理し、心を整理する大切なプロセスです。遺族にとって、その後の生活において心の平穏を得るための一歩として、お焚き上げを取り入れることは非常に重要です。物理的な整理だけでなく、精神的なケアも必要な遺品整理において、お焚き上げは欠かせない要素だと思います。

行事・儀式につきましては其の殆どが神社・寺院に依頼され来た訳ですが今日、環境問題等の観点から境内での焼納は自粛化の傾向を辿っております。

「ひとものがたり」では、仏壇、神棚はもちろん、亡くなった方の服や持ち物も「お焚き上げ」として取り引きのある施設にお運びしてお焚き上げをしていただいております。